大黒屋の江戸木箸とは 

 

 一昔前、木箸と言えば丸か四角形がほとんどで、大黒屋の主人(竹田さん)が、営業で全国を回りあらゆる箸を見る機会がありながら、
自分の手にしっくりくる箸を見つける事が出来なかったのもその為でした。しっくりくる箸を使いたいと、
お箸の職人に頼んで作ってもらいましたが、イメージ通りにつくってくれる人がいなかったそうです。
この時「ならば自分で作ろう」これが大黒屋の始まりになりました。

まず、八角にすることで丸に近く、握りやすい箸を作り、その後、箸を持つ指の数は奇数だからと五角の箸をつくってみると
実にぴたりと手におさまりがよいことに気づきました。
さらに同じ奇数の七角にすると、手にとってもしっくりとなじむ、思い描いていた箸が出来上がりました。
しかし、奇数角の箸は作るのが難しく、平行になる対の面が必ずある偶数角のものに比べ、
奇数角のものは目安になる面がない。
しかも、縞黒檀などの堅い木の場合、手で細く削るのは容易ではなかったのです。

また、箸先は、口に付けるので食べやすさに一番影響するところで、
しかも一番細くなるのでもっとも削るのが難しく神経を使います、カンナのほんの少しの狂いで、
今までの工程もすべてダメになる、
ぶれない様に、息を吸い-止めて-削るを手の感覚だけで仕上げていきます。

スプーンやフォークと違い“2本一組”の箸は、その2本が“同じ”でなければならない、
しかも、何百本も手作りで、また、安定して作らなければならない。
結局、世に出せるまでに2年もの歳月が必要でした。

江戸木箸という呼び名は他の土地で作られる箸と区別するために
「大黒屋」主人竹田さんが平成11年に江戸木箸と命名商標登録しました。

  

  大黒屋の箸は、色柄など派手なデザインを追及しているのではなく、あくまでも機能性を追及し、
  手にしっくりくるバランスの良いお箸を作ることを考えて一本一本丁寧に作っています。
  今では、お寿司用、ラーメン用、うどん用などのユニークなお箸も作られてテレビや雑誌で有名になりましたが、
 昔と変わらず一本一本丁寧にそして大量生産しない出来ない製品を作り続けています。